ラジヘリ vs DJIドローン:農薬散布/カメムシ防除での稲倒伏リスク徹底比較

地域によって異なりますが、ラジヘリを使ったカメムシの一斉防除を行っている地域は多いようです。

一斉防除の目的は、カメムシの逃げ場をなくし、効率よく駆除するためです。

しかし、一斉に防除を行うことにはデメリットもあります。

その一つが、最適な散布時期に散布できない場合があることです。

例えば、悪天候の影響で散布が遅れる場合や、生育状況に完全にタイミングを合わせるのが難しい場合、散布が遅れた結果、稲が過剰に成長して倒伏のリスクが高まることがあります。

そこで今回は、ラジヘリとドローンによる倒伏の違いについてお伝えします。

ドローン社長

20年間にわたり命の現場と危機管理を手掛けた元消防士(救急救命士)。
長年の経験を活かし「安全」をモットーにした北陸唯一の農業用ドローンによる散布代行会社を設立。
個人では某You Tubeチャンネルを3年運用し登録者11万人。webサイト制作やマーケなどweb全般業務を幅広く手掛ける。

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この記事を読むことで以下の内容が分かります。


・ダウンウォッシュの強さと範囲
・作物への影響
・運用方法の違い
・結論

弊社が所有する農業用ドローン DJI Agras T30 とラジコンヘリ(以下、ラジヘリ)のダウンウォッシュ(下降気流)による『稲の倒伏』 に関しては、それぞれの機体特性や運用方法が大きく影響します。

以下に、両者の比較をまとめます。

ぜひ最後までお付き合いください。

ダウンウォッシュの強さと範囲

ダウンウォッシュ

Agras T30

  • ダウンウォッシュは比較的狭い範囲に集中し、プロペラの真下に強く発生。
  • プロペラサイズや設計により、下降気流の強さが分散され、稲に与える直接的な負荷が軽減。
  • 高度や飛行速度を調整しやすいため、作物へのダメージを最小限に抑えられる。

ラジヘリ

  • ダウンウォッシュが広範囲にわたり強く発生。
  • プロペラが大きく、回転速度が速いため、下降気流の力が強い。
  • 特に低空飛行時には稲に対する負荷が大きく、倒伏が起きやすい。

作物への影響

肥料散布

Agras T30

  • ダウンウォッシュが適度に調整され、稲への直接的な影響が少ない。
  • ただし、同じ場所で長時間ホバリングすると、強い気流が発生し倒伏を引き起こす可能性あり。

ラジヘリ

  • 大型で重い機体が低高度で飛行する際、強い気流が発生し、特に柔らかい茎を持つ稲を倒伏させやすい。
  • 操作が難しいため、特定の場所で気流が集中しやすい。

運用方法の違い

違い

Agras T30

  • GPSや高度センサーを活用した正確な飛行制御が可能。
  • 均一に農薬や肥料を散布でき、ダウンウォッシュの影響を最小限にする運用が容易。

ラジヘリ

  • 操縦者の技術に依存する部分が大きい。
  • 高度や速度が不安定になりやすく、特定箇所への負荷が強まりやすい。

結論

稲の倒伏を防ぐ観点では、Agras T30が優位
・精密な制御によって均一な散布が可能で、稲へのダウンウォッシュの影響を軽減できるため。
・農業現場での利便性や操作性も優れている。

ラジヘリは倒伏のリスクが高い
・特に狭い田んぼや柔らかい稲では、下降気流による負荷が問題になりやすい。

となります。

とは言うものの、ラジヘリの利点としては圧倒的な作業面積です。

ラジヘリはエンジン式なので、バッテリー式のドローンとは違いバッテリー交換というロスタイムがありません。

そのため、同じ作業時間の場合、ラジヘリはドローンの4倍程度の散布が可能となります。

でも、実際には農家さんが心配なのは、作業時間ではなく倒伏ですよね!

そのため、私たちに依頼していただければ、倒伏を最小限に抑える工夫をしながら散布を行います。

また、ドローンを所有している農家さんは以下の点に注意して散布してみてください。

  1. ドローンの飛行高度を適切に保つ(通常、2~3m程度)。
  2. 長時間ホバリングを避ける。
  3. 散布エリアを均一にカバーするルート設定。
  4. 天候や稲の成長具合に応じて風圧を考慮する。

裏技テクニックとしては、「圃場の折り返し地点でドローンを上昇させる」というものがあります。

これは手動操作では難しいですが、上記の4点が身についたら挑戦してみてください!

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