2024年も残りわずかとなりました。
新しい年を希望を持って迎えたいところですが、皆さんは「2025年問題」をご存知でしょうか?
「2025年問題」とは、超高齢化社会が引き起こすさまざまな社会課題のことです。
『2025年問題』とは、1947年~1949年の第1次ベビーブームで生まれた「団塊の世代」が2025年に後期高齢者(75歳以上)となり、5人に1人が後期高齢者となる状況を指します。
この問題は、建築業や運送業をはじめ、農業分野にも深刻な影響を与えています。
農業ではすでに慢性的な高齢化問題があり、この傾向がさらに顕著になると予想されます。
私は、農業分野において農業用ドローンがこの問題の解決策になると信じています。
ただし、導入にはコストがかかるため、すぐに切り替えられないのが現状です。
今回は、2025年問題における人材不足とドローンとラジヘリについて考察していきます。
農業用ドローンといえば、ラジコンヘリコプター(以下ラジヘリ)との比較が話題に上がることが多いですが、どちらを選ぶかは農家さんにとって本質的な問題ではないと思います。
以前、以下の記事で「農業の担い手不足」の解決に向けた提案をまとめましたので、ぜひご一読ください。
私達は農業分野に対し、この超高齢化問題をどのように解決していきるのか?
そして、現在活躍中のラジヘリが今後どのように変化していくのかについて、フラットな視点で考察していきたいと思います。
最後までお付き合いください。
ラジヘリからドローンへの移行
日本の稲作では、カメムシ防除のためにラジヘリが長年使用されてきました。
その高い作業効率や広範囲への散布能力は信頼性があります。
しかし、技術革新や社会の変化により、農業用ドローンの普及が進んでいます。
農業用ドローン散布の代行を行う立場から見ても、ラジヘリの対応面積には魅力を感じますが、今後どのような展開を迎えるのでしょうか?
1. ドローン普及の加速
ドローンの利点
- 低コストと操作性の向上
ドローンはラジヘリに比べ導入コストが低く、操作も簡単で、小規模農家に適しています。 - 精密散布技術
農薬をピンポイントで散布できる技術が進化し、散布効率が向上しています。
政府の支援
農業用ドローンの導入を促進する補助金制度により、多くの農家が初期投資の負担を軽減しています。
2. 環境への配慮と規制強化
- 農薬使用の制限
環境保護の観点から、農薬の使用量が規制される傾向にあります。
これにより、必要最低限の農薬を効率よく散布できる技術が求められています。 - ドローンの優位性
ドローンは正確な散布が可能で、過剰散布を防ぎ環境負荷を軽減します。
3. 人材不足と自動化の需要拡大
- 高齢化と後継者不足
高齢化の進行により、ラジヘリの操縦者が減少しています。
そのため、操作が簡単なドローンが注目されています。 - 簡単な操作性
ドローンは短期間のトレーニングで使用可能なため、人材不足を補う手段として最適です。
4. ラジコンヘリコプターのニッチ化
- 残る役割
ラジヘリは、広大な面積での散布や特定の農業団体での運用において活用される可能性があります。 - 課題
一方で、メンテナンス費用や操作の難しさが普及を妨げています。
5. 精密農業技術との連携
- IoTやAIの活用
ドローンとセンサーを組み合わせることで、カメムシの発生状況をリアルタイムでモニタリングし、必要最低限の農薬散布が可能になります。 - データの活用
防除作業の効率が大幅に向上し、コスト削減と環境負荷の軽減が実現します。
まとめ
ラジヘリは特定の用途で使われ続ける一方、農業用ドローンが主流の手段になる可能性が高いと考えられます。
特に、小規模農家や環境配慮型農業を目指す地域では、ドローンの導入が加速するでしょう。
農業用ドローンは効率的かつ環境に優しい方法であり、日本の稲作における新しい防除スタイルを築いていくと期待されています。
ただし、ドローンを安全に運用するためには、適切な教育や管理体制が必要です。航空法に違反した場合、重い罰則が課せられるため、「知らなかった」では済みません。
また、大型農家が専門職員を育成するにはコストや人材確保のリスクが伴います。
理想的には、ラジヘリ操縦者がドローンも扱えるようになることが望ましいですが、ドローン特有の知識と技術は別途必要です。
さらに「人員削減」を目的にするには自動航行をもっと普及させなければ、ラジヘリがドローンに変わっただけだということになります。
私達の目的はあくまでも「農業の担い手を補う」ことにあります。
であれば、自動航行を取り入れることによる人員削減を行わなければ意味がありません。
2025年は自動航行を扱える人材の育成にも力を入れていきたいと思いますので、詳細をお知りになりたい方がいればお気軽にご連絡ください!